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8月22日 映画「グレートビューティー 追憶のローマ」 [2022年 日記]

蝉の声がうるさくなくなり、朝晩の熱気も攻撃的なものではなくなってきた
そろそろ秋の気配が忍び寄る頃

2度目の視聴

初老の作家の身の回りの様々な出来事が、ローマの日常風景に滲み込むように描かれる
夜や明け方の陰影が美しい

初めて見たときは理解できなかったシーンも今回はいくつか解消できた
説明的な描写ではないため、トータルで考えないとわからないことも多い

facebookなどSNSを冷やかすようなシーンは前回見た時も新鮮だったし、
主人公の初恋のシーンも印象に残る、深く、美しく、切なく

ラストシーンも解釈が見るものに委ねられている部分が大きい
この作品のテーマを含蓄する終わり方。秀逸なカットとセリフの組み合わせ
見るたびにほんの少しずつ繋がる断片

「人生はトリックのようなものだ」
特に年齢を重ねてきた人たちにとっては腑に落ちるかもしれない

タグ:映画

8月20日 映画「キングコング」 [2022年 日記]

1933年製作

モノクロ
ストーリーはおなじみの、南の島からニューヨークエンパイアステートビルまで

最初期のこの作品では、女優がキングコングに情けを感じるくだりはない

コマ撮り撮影の技法らしいが、滑らかではないものの動きは巧みだし感情表現もしっかりしている
ラストのセリフ「美女が野獣を殺した」と、南の島から無理やり連れてきた男にしたり顔で言わせているが、あまりしっくりこない
なぜか考えてみたがそれを言うにはコングが女優にぞっこん惚れ込む必要があるし、
それを描いたとしても、島からコングを連れ出さなければ殺されることはなかったし

ただそこはあまり深く考えなくてもいい気もする
凶暴な野獣がただ一人、女優にだけは暴力をふるわないどころか身を守ってやり気配りをするという一点だけで、意外性を強調する意味でそう語らせただけかもしれない

昨今のすごく精密で作り込まれたリアリティあふれる映像で見る恐怖映画も充分に恐怖心を呼び起こすが、90年も昔のカクカクの動きの白黒映画でもかなり怖さを感じさせてくれる
リアルな怖さとは別の、イマジネーションによる恐れを呼び覚ますとでも言おうか、見るものの脳内でイメージを再生成させてくれる

原住民が作った大きな壁、ジャングルの崖や立体的な洞窟、恐竜の口を裂いて倒すなどなど


タグ:映画

8月13日 映画「コンタクト」 [2022年 日記]

ジョディフォスターの演技が光る。
1997年製作だからもう25年も前の映画になる。そう言われればコンピュータの外形だとかテレビの画角が横長でないところなどに古さは感じる。

われわれ人類はなぜここにいるのかという極めてストレートな問いに、これまた真っ向から答えを見せてくれるような内容だと感じた。あいまいにしておいて見るものに考えさせるのではなく、具体的な映像で見せてくれる。宇宙ものの映画が、しかも見応えのある映画がたくさん見られるようになった近年だがこの時代にここまで完成度の高い映画があったとは知らなかった。

カールセーガン著の原作に基づいたストーリーとのこと。宇宙好きの少年の夢をひととき共有させてもらった。

 ものすごい発見をした時に、誰にどう明かす?
 功績を横取りされようとしている時に何をする?
 好きな人と離れても不毛な周波数探索のルーティンに出かける?

そんなことは二の次なのだ。

一部分、和室や日本人スタッフなどのシーンが出てくるが、はて欧米人からしたらこれらのモチーフはどんな位置付けになるのだろう。遠く離れたサポートのない異国か?何を考えてるかわからないが決められた事だけはこなす人種か?

タグ:映画