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12月14日 映画「ゼロの焦点」 [2023年 日記]

雪の日本海の荒波も充分に重い景色だがこの映画のテーマも重い

松本清張作ということで、砂の器を思い起こさせるようなシーンがあったり、その時代の社会背景とテーマが密接に結びついていたり
戦後まもなくの時代設定なのでなんとなく空気感くらいはわかるつもりだが、自分以降の世代だとなかなか現実の日本がたどってきた時代だと想像するのが難しいかもしれない

映画の中で何人も死んでいる。それぞれ強い思いがそうさせている。フィクションの世界で、思いの強さを表現するのに死を扱うのは理解できるが、本当の死はもっと違ったもののことが多いのではなかろうか、いや死には強い思いがついてくるものなのか。眠るように静かに行きたい自分としては気になる点だ

戦争が人々にもたらした莫大な負のエネルギーが、人々の人生に歪みを生み、それでもなお大きな流れに巻き込まれ次の明るい時代へ向かっていく、そんなことを感じた、と言えば素っ気なく聞こえるが

元パンパンの2人の演技も、周りの役も良かった。広末涼子の、華奢とはいえない体躯に若さを、木村多江には辛苦を感じさせる適役だったのだが、西島秀俊のマッチョぶりも意外だった

さてこの映画をどう我が身に反映すればいいのだろうか。そんな堅苦しいことを考えなくていい、楽しけりゃいいんだよという思考にどっぷり浸かりそうになった時に思い出す、世論が右に傾きだした時に思い出す、というのはすぐ浮かぶ。逆にこれを思い出した時がどんな時なのかも、割と自分の中では興味深い

2009年製作

タグ:映画
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