SSブログ

4月3日 映画「ライムライト」「黄金狂時代」 [2021年 日記]

「ライムライト」

チャップリン映画を観るのはほとんど初めてに近いと思う。あまりにも有名であまりにも多くの人が影響を受けていて。中盤涙ぐみそうになるシーンもあり予想外に見入ってしまった。

コメディシーンも多くあるが全編通して老主人公の悲哀が感じられる。若い女性に求婚されるほど好かれ、ひどく仲が悪い人も居ず(おそらく)、身体も動き、酒も呑め。単純に考えれば人生に哀しみを感じる必要がなさそうな人生。だからこそ哀しみが際立つ。

映像がモノクロだったのかカラーだったのか、横長だったのか正方形に近かったのか、見終わった後では思い出す必要も感じない。チャップリンのことや共演者のことを少し調べてみたくなった。

Theatreという綴りやイギリス訛りの英語、ユーモア、クラシックバレーや馬車、紳士淑女が行く劇場公演。紅茶のカップ。どれもこれもひととき一昔前のロンドンに行ったような気にさせてくれて良かった。


「黄金狂時代」

無声映画に音楽とナレーションを重ねたものらしい。ドリフターズの笑いの原点が随所に現れる。

表情アップで魅せる昨今の映画ではなく動きが主体なせいか、やや引いて見ている感じを受けるのは仕方ない。それでもこの映画を公開された当時に見ていたら相当仰天していただろう。

自らの悲しい事を忘れさせてくれる種類の映画だ。

タグ:映画

4月2日 映画「羊たちの沈黙」 [2021年 日記]

娯楽映画なので楽しんで見ることができた。とは言え猟奇殺人犯を追うFBI捜査官の話なので、気楽に考え込まずに見れたと表現した方が誤解がないだろう。

最初にこの映画を見たのは20年以上前で、当時はこういった心理分析ものが少しだけ、書籍含めてトレンドになった。今見ても全然古めかしく感じることなく楽しめる。ああ、あの頃は携帯電話が普及してなかったんだとは思ったが。

原作も読んだことがある。タイトルにもなっている納屋で羊が鳴いているシーンは、たしかもっとドロドロしてたはず。上司が主人公を性の対象として見たかどうかについては映画ではぼんやりと描写されていただけだったが、原作はもう少しはっきり書かれていたような。ジョディフォスターのアップが多いが美しいのでいつまでも見ていられる。

監督はジョナサンデミ。そう言われてみれば、トーキングヘッズのストップメイキングセンスの映像に似ている。眼孔を真っ黒にするライティング、色合いなど。調べてみたらストップメイキングセンスの方が6年も前に作られている。

ただのアクション映画も面白いが、人間心理の機微を描かれるとまた違った面白さがある。
タグ:映画