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3月28日 映画「ゴースト ニューヨークの幻」 [2022年 日記]

単純すぎるようなテーマや設定ながら、素直に楽しめた。

地下鉄幽霊の怪演が、やや退屈になりそうなストーリーに絶妙なスパイスを加えてくれた。
主人公の、地面は踏めるのに物は突き抜けるという不条理や、異界からの影響が現世に及んで物事を変えてしまうタイムパラドックスなどは別に問題ではない。
ウーピーゴールドバーグのコミカルな演技は異文化の者が見ても面白い。人気者なのもうなずける。
デミムーアは、美しいと言うより可愛い。どこの造りがそうなんだろうと見つめているだけで時間が経つのでシーンが間延びして感じることがない。
主人公の行動はツッコミどころ満載だし、それがコミカルさというものか。

地下鉄内やダウンタウンの様子に、自分が安らぎを覚える場所ではないだろうなという感を強くする。

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3月7日 映画「あん」 [2022年 日記]

「何者かになれなくても、私たちには生きる意味がある」
就職を前にして気負っていた頃の自分が、ある人から聞かされた言葉と重なる。

「誰かのために何かをしたい」若者に原作者が違和感を覚えたところからはじまり、河瀬監督がハンセン病とからめて、味わい深い作品になっている。主演2人もこのうえなく渋い。(元?)患者役の両女優が、その後ほどなくして亡くなっていることを考え合わせて見るとさらにだ。

熊本にもハンセン病の人たちが住む施設がある。外を通ると静かで樹木がさやさやとそよぎ、この映画の風景そのままだ。施設の中も風が樹々をゆらしていることだろう。

何事かを成し遂げていないとは言えないだろう樹木希林さんが、この映画のプロモーションに精力的にかかわったエピソードを聞くにつけ、弱者へのやさしいまなざしを持った人だった事がうかがえる。そうなったのは自分の寿命が終盤にさしかかった事を自覚したからだろうか。フニフニと唄っていた頃から、好きでも嫌いでもない女優さんぐらいにしか認識してなかった無知な自分ではあるが、そうではないとなぜかはっきり感じる。
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