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4月12日 ドラマ「あ・うん」 [2022年 日記]

リアルタイムではこの独特の暗さに滅入ってしまってチラ見ぐらいしかしていなかった。まだ若くて見られる頭ではなかったとも言える。

大人になった今見て、それは暗さというより落ち着きやつつましさという部類なのだということがわかる。

作者向田邦子の描く昭和の父親は威張り散らしていて、下手をすると疎まれるような存在ながら、居なければならない大事な人物であることが、頭ではなく腹の底から腑に落とされる。

登場人物ひとり一人がそれぞれ一生懸命生きている昭和。人に迷惑をかけたり、頼ったり頼られたり、憎んだり、けれど心の中では大事にしていて。

また、映像の端々にふんだんに描かれているのは、建て付けの悪そうな建具、効率悪そうな炊爨、寒そうでプライバシーもなさそうな暗い家。

楽で快適な生活を手に入れられた令和の今だからこそ、それらの中に息づいていてもう失われてしまったものたちになにがしかの評価をしておかなければならない時期に来ているように思った。

タグ:ドラマ
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