永らく外国からの侵略による支配を受けて来なかった国の人間からすれば、それと正反対の国の事情や人々の感情を理解することはたやすくない。それでもこれを見終わった後にはそんな人々の深い深い哀しみがほんの少しだけ感じられる、いや感じなければならないように思える。

久しぶりにバート・ランカスターにお目にかかった。立派な体格に豪快な性格のイメージなので公爵役にはピッタリだ。若い頃のあふれんばかりの男っぽさぶりは一昔前の「スクリーン」や「ロードショー」などの映画雑誌の表紙にうってつけだ。

これまた自分とは全く無縁の、貴族階級の生活ぶりの描写も興味を引いた。おかかえ牧師との関係、政治との関係、民衆との関係。

そして、日本人なら100%やらない、もしやっても後でこう行動するなどと思いながら他国の人々を見る、まるで海外旅行気分だ。

おっと、舞台の土地を書いていなかった。現在のイタリア南部シチリア。描かれている時代は調べたところ19世紀なかば。乾いた土地を吹き抜ける風を見ているとゴッドファーザーを思い出す。

バート・ランカスターやアラン・ドロンのイタリア語がひどく上手だと思っていたら吹き替えとのこと。無駄なことだがもう一度見て確認してみたくなった。