近年見かけることがぐんと減ってきた特急列車や貨物列車。新幹線やトラックに主役を奪われた今でもたまに見かけるとホッとする。

夜にガタンゴトンと音がしてそっちを見ても、貨物列車は明かりを点けてないから真っ暗で分からない。目が暗いものに慣れてくるとやっと線路上を滑る黒い列が朧げながら認識出来てくる。車両の長さがまちまちだから、音もリズミカルではない。たまに破格に長い車両があって、音が止んで終わったと見せかけてまたガタンゴトンと続く。そして決まって長々と続く。幼い頃に車両の数を数えながら長いなーと眺めていたが、30両は優に超える。

夜の、長い、貨物列車。あるいは長い、夜の、貨物列車。