山も見えない。自慢の緑の草原も3月ではまだ薄茶色。
それでも阿蘇はやっぱりいい。
阿蘇チック、という形容詞でこの牧歌的な風景を知人が表現した、まさにその時から自分の中ではそれ以上のピッタリな表し方が見つからない。
お目当ての店のランチタイムが終わってて、入った次の店はカントリー風な内装のカフェ。名産の蕎麦を使ったガレットや地元野菜スープなど、どれも優しい味で、どんよりとした一日の中にも思いがけずの収穫だった。
もしも阿蘇がふるさとだったら、たとえ火山活動で多少危険が増す事態になっても離れたくはないだろう。一方、福島の一部では無理やり避難させられている、しかも人為的な理由で。これはきつい。腹立たしさのはけぐちが無い。当事者でないと本当の辛さは分からない。