「佐賀城下 骨董市」は松原神社の境内で毎年この時期に開かれていて、焼き物や古布、小道具や刀剣、はたまたメンコまでなつかしさ満載のテントブースが数多く立ち並ぶ。

ガラクタと紙一重の錆びくれた工具は、どう磨いても実用は難しそうだね。
焼き物の味が分かるようになるともっと楽しめそうだ。

400円分の布切れを買おうと千円札を渡したら、お釣りの用意で店を離れるのが面倒だったのか、細かいのがないかと財布の小銭を覗かれた。じゃあそれ全部でいい、と価格決定! 数えてないけど200円にも満たない額だった。

透け具合に一目惚れしてこの型ガラスを買った店のヒゲ主人も相当なクセがありそうなオヤジだったけど、欲しそうに写真など撮ってたらむこうから値引きしてくれた。

コレ、この感覚!やっぱりアジアの露店で行う、売り手と買い手の交渉!かけひき!

欲しいという欲望をいかにチラリと見せて、かといって高いならいらないもんね的な態度でもって隠す買い手側。場合によっては買うと決めてても買わずに店を出るそぶりを見せていい。へたな演技は簡単に見透かされる。

売りさばきたい気持ちと、ちゃんと頭に入ってる原価と、店じまいまでの時間と、相手の欲しい度を瞬時に計る売り手側。

こんな駆け引き。起きてから寝るまですべてこの調子なアジアの旅先では、勘弁してくれと逃げ出したくなる事が多い。けれど超クールスマートなこの非アジア志向な国に浸かり自販機と通信販売に慣れ切りたくはない。物を売る買うって、根源的な生きるための大事な行動だもんで。