娯楽映画なので楽しんで見ることができた。とは言え猟奇殺人犯を追うFBI捜査官の話なので、気楽に考え込まずに見れたと表現した方が誤解がないだろう。

最初にこの映画を見たのは20年以上前で、当時はこういった心理分析ものが少しだけ、書籍含めてトレンドになった。今見ても全然古めかしく感じることなく楽しめる。ああ、あの頃は携帯電話が普及してなかったんだとは思ったが。

原作も読んだことがある。タイトルにもなっている納屋で羊が鳴いているシーンは、たしかもっとドロドロしてたはず。上司が主人公を性の対象として見たかどうかについては映画ではぼんやりと描写されていただけだったが、原作はもう少しはっきり書かれていたような。ジョディフォスターのアップが多いが美しいのでいつまでも見ていられる。

監督はジョナサンデミ。そう言われてみれば、トーキングヘッズのストップメイキングセンスの映像に似ている。眼孔を真っ黒にするライティング、色合いなど。調べてみたらストップメイキングセンスの方が6年も前に作られている。

ただのアクション映画も面白いが、人間心理の機微を描かれるとまた違った面白さがある。