先日は梅雨明けかと思わせる真夏の空が広がった。入道雲にまっさおな空。昨日今日はまた雨。

映画を見たら感想を残しておかないと、とたんに忘れるようになってきた。

「Money Monster」
 ジョージクルーニーの甘ったるいマスクはあまり得意ではなかったのだが、いや食わず嫌いだったと言った方がいいかもしれないが、落ち着いた演技のシーンだけ見ればまあいいかな。共演のジュリアロバーツもそこそこ。テレビ番組のスタジオをジャックされるストーリーだが、突っ込みどころ満載なのは置いとけという事だとして、案外飽きずに最後まで見られた。1時間40分という短さもあるかも。

で、何が残ったかといえば、なんだろう。


「剣岳 点の記」
 夏八木勲の行者はピッタリな役どころ。役所広司もあれ以上出てくると重いかもしれない。香川照之と浅野忠信が主役なのは合っていた。

山の映画やテレビで一気にリアリティを失わせるのが、荷物を背負って歩くシーン。重く見せるために空気で膨らませた荷物を背負ってれば、そりゃ荷物は歩く度にはねる。荷物が軽いのに足取りだけ重くするのは難しい。

香川照之演じる案内役の長次郎の歩き方は良かった。地を這うような、すり足に近い、重心の上下動が少ない歩き方。重い荷を背負った時には自然とそうなる。

ストーリー自体は、今で言う長次郎雪渓を詰めて剣岳ピークを目指す測量隊の困難と登頂の話。たくさんの美しい剣岳や立山の映像、山に縁がない人には地理関係がチンプンカンプンだったに違いない。

心に残ったのは、人は何をやったかではなくどう向き合ったか、という静かながら熱いセリフかもしれない。