外出先でお年寄りの集団を見かけることが多くなった。車いすが何人も混じっていればデイサービスのお出かけであることが多い。職員がかいがいしくお世話して回っている。

だいたい、花がきれいだとか景色がいいとかいう場所で出会うけれど、観察しているとそんなものには目もくれないで眠ったようにしているお年寄りが何人かは居る。眠っている訳ではないのは口や身体の一部が動いたりしていることですぐに分かる。

かと思えば独り言のように歌っている人も居る。いい気分なのか、歌うのが癖なのか。

綺麗なものを愛でて微笑んでいる人もいる。職員さんとのやりとりが楽しそうな人、つまらなそうに黙ってうつむいている人、気ぜわしい人、耳が遠くてコミュニケーション難民になってる人。

今までの人生で何をしてきたか、聞けばへええ!と驚くようなそうそうたる人達かもしれない、そうでないかもしれない。

こういった集団は動きが遅かったり、物静かだったり、場所をたくさん取ったりと、お年寄りではない年齢層からしたら華やかな場所に、ある意味ふさわしくない異様な空気感を出していると感じる感覚を否定することが出来ない。が、そこから目をそらさずに自然な眼差しで見つめたい。まぎれもなく、一個の人の命なのだ。