地図を折る。何年いや何十年ぶりだろう、特に難しくもないからやり方は手が覚えている。

等高線の連なりを眺めていると地形が目に浮かぶ。険しい崖、狭い尾根、平らな湿地。そこに黒の破線でたどられている線が登山道だ。一般路、つまり普通の登山者が行ける道だけが書かれており、難路や一般的でないルートはない。

縮尺2万5千分の1の地形図1cmの実距離は250mだから平地でならほんのすぐそこなのだが、この距離を進むのに、山で条件の悪い道だと何倍何十倍もの時間と労力とリスクを伴う。まあそもそも平地と山を比較するのはナンセンスな作業なのだ。

平地でも朝晩は肌寒くなってきた。標高3000m近い山の上は、かなり寒かろう。