宿根草は早春のよろこびを与えてくれる。

雑草でさえ枯れて息絶え絶えの冷えきった地面に、霜柱が何度も持ち上げては落とした荒れた地面に、宿根草の勢い良く飛び出してくる緑の力強いこと。

秋から冬にかけて、じっくりと溜めておいた力を春一番に発散させている。おかげで春が深まると、これまた一足先に枯れしぼんでしまうというスタートダッシュ型なのも潔い。

どこに植えたか、いや、植えた事そのものさえ忘れた頃に突然どこかからひょっこりと顔を出す。まるで誰かみたいだ。