山や登山を舞台にした映画やテレビのフィクションで、リアリティのあるものを見たためしがないような気がする。そもそもリアルな登山者の姿を見ても映像的に面白くもなんともないものだし、むしろ時間の無駄だ。思いっきり演技と分かってても、ぜえぜえはあはあと喘いで動きが少しでもあった方が退屈はしない。ザックは何も重いものが詰まってなくても膨らんでいて、歩くたびに背中ではねていても役者さんが動きやすいに越したことはない。

なんて事を考えると、登山ってほんとに自己満足の世界なんだなと感じる。外からの目線を全く気にしないというか。でも、最近の山ガールブームあるいは山ファッションの多様化がけっこうな勢いをもって普及しはじめているのをみると、それも変わりつつあるのかもしれない。見せる登山、見られる登山、ファッショナブルな登山。